最期の時まで、在宅で。

寒の入りとともに、寒さが一段と厳しく感じられるこの頃です。

 

さて、今回ご紹介させて頂きますのは、長年に渡り我々のお弁当を召し上がって頂いております、ある男性のお客様のお話です。

 

–2019年・秋–

いつも元気なF様。配達時には、丁度表を散歩されていることもしばしば。

 

「よう!いつもありがとう」

 

優しい笑顔に、いつも元気をもらいます。そんなF様、なんと先日、100歳を迎えられたそうです。

 

おじいさん 高齢者

 

けれども、年の瀬も押し詰まったとある日。

 

「こんにちは!」

 

いつものようにお弁当をお渡しする…予定でしたが、応対して下さったのは、F様のご家族。

 

「父は体調を崩して、入院をすることになりました。お弁当はしばらくお休みしてください」

 

病院 病室

 

そして年が明け、とある日。F様がご自宅に戻られたと、ご連絡がありました。

 

その際に伺ったのは、この度退院に至るまでの、ご家族の強い想いです。

 

「入院をしてしまうと、毎日毎日、ただただ白いだけの天井を見つめながら、残りの人生を生きていくことになります。もちろんそのような日々では、頭を使うことも、身体を使うことも、無くなっていくでしょう。私たちは、お父さんに、そのような最期を迎えて欲しくないのです。住み慣れた家で、沢山の記憶と思い出に囲まれて、幸せだったと、そう思って欲しいのです」

 

在宅介護 老後

 

体調が優れず、入院される方。暫しの間、施設で生活される方。そして、在宅で生活を続けることが難しくなってしまった方。様々なご事情により、お弁当の配達に伺えなくなってしまう事があります。しかしながら私たち配達員は、「たとえ暫くの間、配達が出来なくなってしまったとしても。その方がお元気になった時に、また笑顔で配達がしたい」そう思いながら、いつもお弁当をお届けしています。

 

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